おはようございます。手技道の門田です。
先日、手技道ではスタッフの
勉強会を行いました。
今回も院長が講師となり、
身体についてのさまざまな話を聞きながら、
実際にスタッフ同士で身体に触れ、
施術の練習を行いました。
その中でも、私が改めて
「人体って本当に奥が深いな」と感じたのが
今回のテーマでもある「踵(かかと)」についてです。
医療用語では「踵骨(しょうこつ)」と
呼ばれる骨ですね。
「踵なんて、ただ身体を支えているだけなのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし手技道では、踵は
身体全体のバランスを考えるうえで、
とても重要な場所のひとつだと考えています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆硬い踵を、力ではなく「戻ろうとする力」で動かす◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
踵骨については、
これまでも何度か勉強会で、
取り上げてきました。
インソールを専門としている
先生から教えていただいたり、
「柳生心眼流」の先生から
身体の構造や動かし方について学んだりと、
さまざまな角度から勉強してきた場所でもあります。
そして今回は、柔道整復師の先生から、
比較的シンプルな踵へのアプローチ方法を
教えていただきました。
これまで私たちは、
「踵骨はとても重要だけれど、硬くて動かすのが難しい場所」
というイメージを持っていました。
ところが今回学んだ方法は、
施術する側が強い力で無理に動かすのではなく、
身体そのものが持っている
“元に戻ろうとする力”を利用するという
考え方でした。
イメージとしては「ゴム」に少し似ています。
ゴムをゆっくり引っ張っていき、手を離すと、
反動で元の状態へ戻ろうとしますよね。
身体でも、踵骨の周囲にある組織の状態を確認しながら、
指の角度や力を加える方向を微調整していくことで、
身体が持つ反応を利用してアプローチしていきます。
もちろん、どこに指をかけるのか、
どの方向へ力を加えるのかなどには、
細かな技術が必要です。
簡単そうに見えても、一朝一夕で
身につくものではありません。
だからこそ実際に体験すると、
「人間の身体には、こんな反応があるのか」
と驚かされます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆身体には「元に戻ろう」とする働きがある◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
手技道では施術を行う際、
単純に外から力を加えて身体を変えるのではなく、
その人自身の身体が本来持っている力を引き出すことを
大切にしています。
身体は、生きている限り常に、
一定の状態を保とうとしています。
傷ができれば修復しようとしたり、
身体が傾けば無意識に筋肉を使って、
姿勢を保とうとしたりします。
手技道では、こうした身体本来の働きを
できる限り邪魔せず、
身体がより良い状態へ向かえるように、
施術していくことを大切にしています。
過去に手術を受けた場所や、
その周囲に強い緊張や硬さが残っている場合にも、
手術部位だけを見るのではなく、
その周囲を含めた身体全体のバランスを、
確認しながら施術していきます。
「痛いところだけを見る」のではなく、
なぜそこに負担がかかっているのか?
というところまで考えることが、
手技道の特徴のひとつなのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆踵がズレると、身体の「軸」も変わる◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
少し話が広がりましたが、ここで踵の話に戻りましょう。
なぜ、手技道がそれほど踵を重要視しているのでしょうか。
その理由のひとつが、**身体の「軸」**です。
人間は二本の足で立っています。
そのため、足元の状態が身体全体の姿勢や、
重心に大きく関係しています。
手技道では、足の基本的な軸として、
「足首・膝・股関節がなるべく自然なライン上にあること」
を大切にしています。
ところが土台となる踵の位置がねじれたり、
傾いたりすると、その上にある足首の位置も
変わります。
すると、膝、股関節、骨盤へと影響がつながり、
身体全体のバランスを取るために、
別の場所が頑張らなければならなくなることが
あります。
建物に例えるなら、「土台」のようなものです。
土台が少し傾けば、その上にある柱や壁は、
何とかバランスを取ろうとします。
身体もそれと似ています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆手技道では「4点」で身体を支えると考えます◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一般的に足裏の重心を考える際、
・母趾球(親指の付け根)
・小趾球(小指の付け根)
・踵
の3点で三角形を作り、
その中でバランスを取るという考え方があります。
一方、手技道では踵をもう少し細かく見ています。
踵には踵の中心部分に身体を支える
ポイントがあると考え、
足裏を4つのポイントで支えているという
捉え方をしています。
この踵の位置が大きくねじれてしまえば、
足裏で体重を受ける場所も変わってきます。
すると身体は無意識のうちに、
バランスを補正しようとします。
その結果として、足首や膝、股関節、腰だけでなく、
姿勢の変化を通して首や肩など上半身にまで、
負担が広がっているケースもあると、
手技道では考えています。
「肩がつらいのに、どうして足を見るの?」
「腰が痛いのに、なぜ踵を触るの?」
と思われることがあるのですが、
こうした身体全体のつながりを見るためなのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆昔の捻挫や転倒が残っていることも◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「でも、踵なんて硬い骨なのだから、
そんなに簡単に状態が変わるものなの?」
と思われるかもしれません。
しかし実際には、私たちは日常生活の中で、
足元にさまざまな衝撃を受けています。
例えば、
・ヒールを履いているときに足をひねった。
・スポーツ中に捻挫をした。
・足を強く打った。
・階段を踏み外した。
・高い場所から飛び降りて強く着地した。
こうした経験は、意外と多くの方に、
あるのではないでしょうか。
問題なのは、そのときに強い痛みが、
出なかった場合です。
「ちょっとひねっただけだから」
「数日したら痛くなくなったから」
と、そのまま忘れてしまうことが
あります。
ところが手技道では、過去に受けた衝撃や、
身体の変化が、その後の身体のバランスに
影響を残している場合があると考えています。
長期間その状態が続けば、
身体はその姿勢でも生活できるように、
周囲の筋肉や軟部組織を使って
固定しようとします。
すると時間が経つほど、身体はその状態を
「いつもの位置」として覚え、硬さが強くなり、
動かしにくくなっていくことがあります。
手技道では、こうした過去のケガや
衝撃などが年月を経て現在の身体に
影響している状態を「原遺障害」と呼んでいます。
だからこそ、
「今痛い場所」だけではなく、
「昔どんなケガをしたか」
「どんなスポーツをしていたか」
「足を捻挫したことはないか」
といったことも、
身体を見るうえでは大切な情報なのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆自分で踵を動かす方法もあります◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そんな重要な踵ですが、
実はご自身でやさしく動かす方法もあります。
手技道のYouTubeでも以前ご紹介していますので、
すでにご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
動画はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=YxpOWDq7he8
「最近、足が疲れやすい」
「立っていると左右どちらかに体重が偏る」
「昔、捻挫したことがある」
そんな方は、無理のない範囲で、
動画を参考にしてみてください。
痛みがある場合や、
動かした際に強い違和感が出る場合には
無理をせず、
一度身体の状態を確認することを
おすすめします。
また、
「動画では分かりにくいので紙で見たい」
という方には、手技道でも資料を
お渡ししています。
ご来院の際に、スタッフまでお気軽に
お声掛けください。
私自身、今回の勉強会を通して改めて感じたのは、
身体は一つひとつの部位が別々に存在しているのではなく、
すべてつながっているということでした。
たった一つの踵。
でも、その上には足首があり、膝があり、
股関節があり、骨盤があり、背骨があり、
そして頭があります。
痛みが出ている場所だけに、
答えがあるとは限りません。
「なぜ今、この場所に負担がかかっているのだろう?」
その原因を身体全体から探していくこと。
これからもスタッフ一同、勉強を重ねながら、
皆様の身体と向き合っていきたいと思います。
ぜひ一度、ご自身の「踵」にも、
目を向けてみてくださいね。














